お婆ちゃんはミルクボーイ

家族のこと

小さい頃、神戸電鉄に乗って祖父母のところへ帰る。「まだかな、まだかな、」母と兄妹三人、一番前の車掌のドアにかじり付いて、各駅停車をひとつずつ、ひとつずつ。。とっても長かったけど、あのワクワクはずっと覚えている。一人で帰った時は、祖父は足が悪かったけど、迎えにきてくれてたりして。電車を飛び降りたら、ニコーって手を降ってくれて。

祖母が作ってくれるご飯は、ぶり大根、すき焼き、、たくさんは覚えてないけど、ほんとに美味しくて、塩ラーメンさえも、いつもと違う味がした。

兄が祖母とお風呂に入った時の事、「みか、お婆ちゃんに、三人の中で誰が一番好きか聞いてみ。」子供の頃、よくする無邪気で、酷な質問。「俺が一番やって言うてくれたで。」自慢げに言ってきた。兄は子供ながらに頭が良かった。祖母がなんて言うか、きっとその時は、みかって言うで。

その後、私もお風呂に入った時,、兄に言われるがままに聞いてみた。「お婆ちゃん、三人の中で誰が一番好きなん?」そしたら、祖母は察したのだろう。湯船の中から手を出して、中指と薬指と小指を私達三人に例えて話し出した。中指はお兄ちゃん。お兄ちゃんはこんだけ好き。薬指はみか。みかはこんだけ好き。妹は小指、妹はこんだけ好きやよ。と。

その時は兄と答えが違ったことに、話の意味もよくわからなかったけど、後から思うと祖母はきっと試されている事をお見通しで、みかって言わなかった。兄と私に嘘を付かなかった。祖母はちゃんと考えて、答えを変えたように思う。誰も傷つかないように。

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