洞窟のくま
ソンニュの母のかばんに入っていた、誰のものか分からない英語の雑誌。母は読もうとするが・・・電子辞書を探しにソンニュの部屋へ。引き出しを開けると大量の薬が。その時、へスクから電話が入る。「スンヒョが病気だからお粥を作って欲しい」
2人が家に入ると、スンヒョとソンニュが言い争っているのを聞いてしまう。「誰が胃がんなの?」「あんたなの?」
うつむくソンニュを母は抱きしめた。「一緒に病院へ行こう」「手術したから平気よ」「なんで私が知らないの?」「母さん ごめんなさい」耐えきれず母は家に戻り、父と弟に「あなた この子ががんだと」「ソンニュ 嘘だろ 冗談だよな?」
ソンニュの部屋の引き出しの薬を、もう一度見に行く母。そして恐る恐るソンニュのお腹を見る。「だから銭湯を嫌がったの?」「手術の痕はだんだん薄くなる」「この薬は?」「今は元気なの」「何があったかそっくりそのまま話して」
ソンニュは、3年前にアメリカで手術をしたこと、抗がん剤治療をしたこと。でも治療は成功して今ではピンピンしてると話した。母に婚約破棄した理由を聞かれ、彼を苦しめたくなくて取りやめにしたと。
「そんな大事なことをどうして黙ってたのよ」「言えなかったの 心配をかけたくなかった」「それが何?子が病気なら月や火星にでも行く 親を思うフリしてなんて生意気な いっときあんたと私は同じ体だった 私のおなかの中であんたはスクスクと育っていったの この私があんたの病気を知らないなんて」「母さん ごめん」 「父さん ごめんね」
「なぜ話さなかったんだ 両親には話すべきだろ 頼りにならない親といえども 話さないとダメだろ」 「親だと思ってないのね」 「そんなこと言わないでよ とてもじゃないけど言い出せなかった 治ったら言おうと思ってたの 結局言い出せなかった 母さん ごめんなさい」母は部屋を出て行き、そのあとを追う弟。
「本当に今は大丈夫なのか?問題ないよな」 「ええ 今は何ともない 元気になった 心配しないで」 「そうか ならいい それならよかった」と言う父。
母は弟がコップに入れてくれた水を飲み、 部屋にこもり、ドラムを叩く。ソンニュが帰国してからの自分がしたことを思い出す。弟、父もそれぞれが自責の念に駆られていた。
「うちの娘がどうして…がんなんかになるの よりによってあの子が… 私ががんになるべきよ 一生懸命生きてきた子が…まだ若いのに なんてことなの ソンニュがかわいそう どうしたらいいの」
ヘスク(スンヒョ母)は、ミスク(ソンニュ母)が作ったお粥を持っていく。「本当に知らなかった?3年前ならアメリカへ出張した時でしょ」そしてスンヒョは思い出したのだ。家からヒョンジュンと出てきたソンニュを。そして声をかけられなかったことを。その頃から仕事も忙しくなり、ソンニュからのメールに返信をせず、距離を置くようになってしまった。
「俺が病んでいた時ソンニュは 洞窟から引っ張り出してくれた だけど俺は 彼女からのサインに気づかなかった」
モウムはヘスクと母との会話を聞いて、ソンニュの所へ駆けつける。そして「大変だったね 心も体も」と言ってソンニュを抱きしめた。
スンヒョの父は、救急患者のカルテに”ぺ・ソンニュ”の名前を見つける。”正憲大学病院”はスンヒョの父が務める病院だったのだ。そして父はスンヒョに、うちの病院で最善を尽くすと約束する。
ソンニュの母は、病気を知られてしまった、スクのメンバー達に気持ちを吐き出し、弟は”胃がん”を検索する。それぞれがソンニュを思って過ごしていた。
モウムは、ダンホに後ろから肩を叩かれ、投げ飛ばしてしまう。そして、泣いている姿を見られてしまう。ダンホを家まで運ぶモウム。なぜ泣いていたか聞かれ、モウムは”私の友達の話”と前置きして話し出す。
「泣かないと決めたのに」「泣いてください 少し泣いたらたくさん笑えばいい 一緒にジュースを飲んで 騒いだりふざけたりして そばにいる 奇跡的に生還した人といるなんて それ自体が奇跡です 僕にとって娘がそんな存在です」そして2年前に妻を亡くしたことを話し出す。「ヨンドゥは奇跡的に僕の所に戻ってきた だからどんなに平凡な朝が大切か 僕は知ってます」そう泣いて話すダンホにキスをしてしまう。そして我に返ったモウムは恥ずかしくて、ダンホに頭突きをして、帰ってしまう。
スンヒョとソンニュはいつもの公園。
怒ってるでしょ
いいや
連絡をくれなかった
忙しかったから
私を避けてたくせに
私 がん患者だから 会うと気を使うよね
”慰めるべき?励ますべき?” ”何を言えばいい?”と
うちの家族もそう 親は泣いて動揺して…あのドンジンまで青い顔してた
私の方が居たたまれない
こうなると思ったから 内緒にしてたのよ
なのに誰も分かってくれない
笑わせるな
”みんなのために黙ってた”とでも?
お前は自分勝手だ お前は卑怯な臆病者だ
何?
ヘタレな偽善者め
ちょっと
お前は 愛する人たちを傷つけたんだ
最低だとは思わないか?
お前の両親や俺や自分自身にも
お前は 一番つらい時に自分を1人にした
ソンニュ 本当につらい時は身近な人を頼れ
頼ったら 何が変わる? みんなを苦しめるだけでしょ
共倒れになるのが目に見えてる
倒れたって構いやしない
一緒に嘆いて また起き上がろう
そんなの無理だよ 私はそんな人間なの
俺を力づけてくれた
母さんのアフリカ赴任の時 俺がケガで水泳を諦めた時 手を差し伸べてくれただろ
ちょっと
あれと…これとは違う
俺にも機会をくれよ
お前がしたことを 俺もしたいだけなんだ
やめて やめよう
ソンニュ また逃げる気か?
待てよ 待てってば
そこにはヒョンジュンの姿が。残されたスンヒョに「俺もそうするべきでした あなたのように気持ちに素直になるべきだった」「その時ソンニュはつらそうでしたか?」「頑張って耐えていましたよ」
私 ソンニュにひどいことをした あの子が3歳の時 ドンジンが夜泣きしたら つられて泣き始めたの だからあの子に怒った ”姉なのに泣くなんて” ”お前まで私を苦しめる”と
お前も若かった 未熟だったんだ
そうだとしても 母親として失格ね 私のせいでかたくなになった ドンジンの病気を言い訳に あの子を後回しにしてた だけど あの子は1人で立派に育った
そうだったな ソンニュはいつもいい子にしてた
子供心に親に気遣って 緊張してきたのよ 自慢ばかりしてたくせに 頼りになる親になれなかった 大病を患ったことを親にも言えないで 1人で耐え忍ぶとは
悪いのは俺だ たかが食堂の仕事に没頭して 家庭を顧みないで お前に押し付けて
ソンニュにすごく申し訳ない
俺こそ申し訳ない お前にも謝りたい ソンニュにも
あなた…本当にごめんね
俺が申し訳ない ごめん
ソンニュは2人の会話を隠れて聞いていた。嗚咽を必死でこらえて。
ソンニュが携帯を置いたままいない。ソンニュの母から電話がかかってきた。スンヒョは探しに行く。公演、漫画喫茶、料理学校。2人が通っていた高校にも行くが、姿はない。そして、ソンニュが昔、初めて家出した時にいた海が思い浮かぶ。車で向かうと、やはりそこにソンニュはいた。
おい ソンニュ
チェスン? よくここだと分かったね
行き先をちゃんと言ってから出かけろ ケータイは持て
思索と自己探求の邪魔になるから置いてきた
何言ってる 探したんだぞ 心配かけやがって
息が詰まりそうだった 一息つかせて
おい 息が詰まるのは俺のほうだ 一体いつまで隠す気だったんだ
またその話?よく飽きないね
心の病気についてだ お前 うつ病だったとなぜ黙ってた?
どこでそれを?ヒョンジュンさん?
一体何なんだ?バカか?本当にマヌケだな 小さな体でいろいろ抱え込んで
もう帰る ちょっと
あんた何するのよ やめて
スンヒョはソンニュを抱えて、海に放り投げた。
一体何なの どうかしてる なんてことするの
すっきりしただろ
ちょっと
そうだ そうやって声を出せ 抱えてたものを 全部投げ出せ 抱え込んでたのは綿じゃなく塩だ だから 重い荷物を1人で背負い込むな溶かしてしまえ
なんで怒鳴るの?なんで怒るの?病気なのは私よ 一番つらいのは私 なぜ責めたてるわけ?
お前に怒ってない 自分に腹が立った 病気だと聞いて反省した 聞こえなかったんだ 窓を叩く音が つらいというサインを俺が知らんぷりした それを知っていながら ひどいことを言った そんな俺が情けないし クズみたいで
返事しなかったよね
ごめん
電話も無視したよね
ごめん
私 誰にも言えないし 1人でどんなに怖かったか なんで無視したの?親が聞いたらショックで倒れるかと思って 考えた末に決めたことなの あんたに言うか言わないか100回悩んだ 何も知らないでしょ 私の気持ちなんて
声を張り上げて泣くのだった。
スンヒョに言われて、電話で父に検査結果を聞く。単なる炎症だと聞いて、ほっとしたスンヒョは、ソンニュを抱きしめるのだった。
家の洗濯機が壊れて、ガラスの破片を片付けようとするへスク(スンヒョ母)。危ないからとギョンジョン(スンヒョ父)がするが、ケガをしてしまう。傷の手当をしてもらった後、ラーメンを作ってもらって、一緒に食べながら、若い頃の話に花を咲かせる。
へスクを食事に誘って迎えに行くが、そこで見たものは、スズランの花を買った時に、家の前で見た2人だった。花束を渡されているヘスク。前々から、上司に早期退職を勧められていて、それを受理したようだった。それを知らないギョンジョンはそのまま引き返してしまう。
夜、帰宅すると「話があるの」と言うへスク。「私も話がある」「私の話は長くなりそう 先に言って」と言われ、ギョンジョンは切り出すのだった「離婚しよう」
スンヒョの提案で、ソンニュの帰国パーティーが始まる。ソンニュの父が料理の説明をする。「世界一愛する 娘のための・・・」と言って声を詰まらせた。母は「私たち家族よね。いいことだけじゃなく つらいことも悲しいことも共有できる存在よ だから これからは 隠し事するのは禁止 今からこれが家訓よ」「友達も家族だ」
ソンニュの隣に座ろうとする父に
モウムが阻止するシーン
笑っちゃいました。
ソンニュ家族と幼なじみスンヒョとモウム。楽しそうに帰っている皆を、陰で見ているヒョンジュン・・・
そして、ソンニュに電話をかける。ホテルにいると嘘を言い
アメリカに帰る たぶん これが最後の電話になると思う ソンニュ 俺は お前をすごく愛してた だけど 愛し方が間違ってたようだ お前を引き起こすことに必死で 一緒に転ぼうとはしなかった 韓国に来て知った お前が必要としてる人は誰か お前のいるべきところがどこか ごめん あの時 お前の痛みに共感できなかった ありのままのお前を受け入れられなかった
ううん 私こそ 病気を口実に あなたを振り回した 自分の感情に溺れて あなたの寂しさを 理解できなかった
ソンニュ 俺たちは 後悔するのをやめよう お互い相手の存在がすべてだった あの時だけを思い出にしよう それでいいんだ
うん
そうか 元気で
あなたもね
ソンニュの部屋の窓を見つめるヒョンジュンだった。
ヒョンジュンさんがいい人で…
泣けてきました
”ソンニュを頼みます”とヒョンジュンからのメッセージが。ソンニュを連れて空港へ急ぐスンヒョ。ヒョンジュンを見つけ、「ここで待ってろ 俺が先だ」
ソンニュに別れの挨拶を 時間はないです 手短にお願いします 距離感も守って
分かりました
あと感謝します あの時ソンニュのそばにいてくれて
そして、「行ってきて」とソンニュに言う。
この前 別れの挨拶をしたはずなのに
ありがたいよ
こんなことなら きれいにしてくればよかったこの格好で挨拶するとは
きれいだ どんな時よりも輝いてる
ありがとう あと ありがたかった
俺のほうこそ 最後に握手するか?その程度なら許してもらえる 幸せになれ もう病気になるなよ
ええ あなたも いい人ができるといいね
お前はもういるよな あいつ気に入らないけど・・・気に入った じゃあな
泣いているソンニュの頭に、スンヒョは「暑いから」とスーツの上着を被せる。ソンニュは周りを気にすることなく思い切り泣いた。
スンヒョとソンニュは
『洞窟の扉』を開けました♡