結婚した当初、この本で料理を作っていた。基本中の基本で作ってある料理本。私の主婦の歴史がこれで始まったと言っても過言ではない。確かこれを買った時に、母に「いい本買ったね」と褒められた記憶があって、大事にしている本。でも中身はもちろん、料理しながら見てるから、ドロドロでページが引っ付いてたりしている。でも、最近はこの本を見て料理を作ることも少なくなった。もっぱらクックパッドとかで、材料を何個か入れて検索。ほんとに便利になった。下手したらレシピを見るのでさえ面倒くさい。
でもよくよく考えると、母は、私が結婚する前にはとっくに亡くなってたのに、そしたら、私はこの本を結婚する前から集めていたのだろうか。おかしい。でも、確かに褒めてもらって嬉しかったことは覚えてるのに。この歳になると、そのはずと思ってた記憶が、すり替えられてることがある。まさか私の想像やったのか?
長女が大学生の頃、晩ごはんを作ってくれる曜日があった。早く学校が終わって、私が遅くまで仕事の時。その時にテレビで知った、NHKの『ごちそうさん』や大好きなドラマ『カルテッド』のフードスタイリストの飯島奈美さんの料理本を勧めると、娘はその本を買って、料理を作ってくれた。飯島奈美さんの料理はどれを作っても美味しい(正しく言うと作ってもらっても)。この本も料理の基礎が丁寧に書かれてるので、美味しいけど、もう麺つゆやすき焼きのたれに頼ってる私は、とてもこの本では作れない。
母の料理で一番好きな食べ物は、コロッケだった。母のコロッケは、小判型じゃなくて、俵型だった。母は、調理師免許を取って、厨房でパートしていた。仕事でも料理。家に帰っても料理。ずっと食べることをしていた。料理も上手だった。
私がコロッケが好きなのを知っていて、長女は飯島奈美さんの本で、何回かコロッケを作ってくれたことがある。コロッケなんて、大した違いはないのかもしれないけど、母と一緒とまでは言わないが、とても美味しい。ベターホームの本で作ったコロッケも美味しい。やっぱり基本がしっかりしている料理は美味しいのだと思う。
あー。母のコロッケが食べたい。

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